『二一世紀の資本主義と変革主体の危機』

 拙著『二一世紀の資本主義と変革主体の危機』(著者発行、2015年8月刊)を出版しました。書泉グランデ(神田神保町)4階、模索舎(新宿区新宿2-4-9)、ナカムラヤ(群馬県太田市本町14-27)で売っています。読んでください。

 

 はじめに
 いま、日本において、アメリカにおいて、そして全世界の各国において、貧富の差が拡大し、膨大な極貧層がうみだされている。これは、なにゆえなのか。
 トマ・ピケティは、過去二〇〇年にわたる膨大な資料を駆使して、二一世紀の資本主義が、バルザックが描いたような資本主義に螺旋的に回帰しつつあることを、鮮やかに浮き彫りにしてみせた。けれども、彼は、その根拠は何であるのか、そしてそのような資本主義はどのような構造をなしているのか、を明らかにしてはいない。
 このことを究明するためには、あくまでも、われわれは、マルクスの『資本論』を現実の諸事態の下向分析に適用しなければならない。プロレタリア=賃労働者の労働を疎外された労働としてあばきだしたマルクスの思想的営為を、われわれはわがものとし、二一世紀現代に貫徹するのでなければならない。

 目次は次のとおりです。

 

 『二一世紀の資本主義と変革主体の危機』 目次

 はじめに

Ⅰ 二一世紀の資本主義と変革主体の危機

 一 一つの歴史観の提示

  この魅力!楽だ!
  人間は何であり何であるべきか
  ソ連が崩壊したのはなぜか?
  労働力商品とは?
  「資本所得と労働所得」
  資本暴走の根拠――ソ連崩壊と階級闘争の壊滅

 二 パート労働者である私の日々

  老人ホームでの給食という業界
  倒産=全員解雇
  「常食」「キザミ」「超キザ」「ミキサー」
  一五分未満は切り捨て――支社長と話す
  契約更新のとき
  労働組合はあるけれども

 三 マルクスの立場と方法をわがものとし貫徹する

  資本主義を否定する立場=実践的立場にたつ
  資本主義の現実を分析する方法の主体化
  下向・上向の弁証法を基礎にして
  国家独占資本主義論の方法の貫徹
  労働組合の破壊
  貧富の差を縮めた時期の資本主義
  恐慌論的アプローチ
  国家独占資本主義の破綻
  凶暴な二一世紀の資本主義

Ⅱ 「グローバル資本主義」論批判

 「グローバル資本主義」という規定にはらまれている価値意識の問題
  マルクスに何を学んだのか
  「グローバリゼーションの三つの要素」論

Ⅲ 世界経済危機の諸断面

 ガスプロムがウラジオストクLNG事業をやめることを検討しはじめた!
 ロシアからウクライナへ天然ガス供給再開の動き
 日銀が追加の金融緩和策を決定――アベノミクス破綻の自認
  国家独占資本主義の破綻の新自由主義的のりきり
  日本の権力者のあがき
 ウクライナ東部に親ロシア武装勢力の権力が樹立
 シェール・バブルの破裂がせまるか
 GDP二期連続マイナス――アベノミクス破綻の露呈
 OPEC総会決定をうけて原油価格さらに下落――シェール・バブルの破裂へ
  シェールオイルの採算割れ
  原油先物の売り浴びせも
  エネルギー企業の株価の下落
 二〇一五年冒頭、株価の下落が始まった――株価という面でのバブルの破裂
  貧困が蔓延するゆえん
  急膨張したジャンク債市場
 シェールオイル企業が倒産――経済的破局が始まった!

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