2017年4月1日発行
ISBN978-4-909063-02-1
279頁 定価(本体価格3000円+税)
『ソ連の自己解体、その理論的根拠』の新装版
ソ連が崩壊したのは一体なぜなのか? それは、マルクス主義をスターリンが歪曲したことにもとづくのである。
目次
Ⅰ 「価値・価格論争」の基底にあるもの
一 直面していた諸現実
二 資本制的物化の廃絶への背信
三 人間変革の放棄
四 労働時間を基礎としない「労働支出」計算
五 ソ連経済にとって「価格」操作のもつ意味は何か
六 ホズラスチョート、賃金、労働の異質性にかかわる諸問題
Ⅱ プレオブラジェンスキー「社会主義的原始蓄積」論とこれをめぐるブハーリンとの論争
一 帝国主義諸列強包囲下の経済建設への危機意識
二 「意識性」の対象的確認
三 工業化のための社会的総労働の配分計画
四 ブハーリンの「価値法則の、労働支出法則への転化」論にはらまれているもの
五 スターリン派の「過渡期における価値法則の合理的利用」論
Ⅲ スターリンの強制的農業集団化について
――渓内譲『スターリン主義政治体制の成立』と関連して――
一 スターリンのゾウリムシ的対応を研究することの困難
二 渓内譲の研究
三 当時の党・国家の諸実践
四 穀物の義務納入制
Ⅳ スターリン主義的計画経済の破綻を弥縫するためのあがき
――カントロヴィッチの「数学的方法」について――
一 ぬきさしならぬ諸事態と対立したままの論争
二 ほりおこされた最適計画のための数学的方法
三 最適計画を選びとる方法の原型
四 機械の賃貸評価・投資の標準効率・生産物の標準評価
五 方程式を解かなければ算出できない価格
Ⅴ 定式化されえなかった「国民経済バランス表」
一 われわれの構想する計画の実在化
二 労働論=実践論の欠如
三 生産諸手段にふくまれる労働量の重複計算という問題
四 「非生産部面」とは?
五 表に書きこまれた数値は何を意味するか