認識方法論の諸問題――武谷三段階論とアインシュタインと重力子

     2018年1月1日発行

     ISBN978-4-909063-11-3

     276頁、定価(本体2500円+税)


 自然や社会のあらゆる事象を分析するための方法を探る。下向分析的に頭をまわすことが何よりも大切なのだ!

 相対性理論を創造し・そして量子力学を批判したアインシュタインの哲学的な立場と方法は何か。武谷三男が提起した実体論的把握の方法を蘇らせ鍛えなおすことが迫られる。重力場の量子論的な解明に唯物論的思惟を貫徹しなければならない。


 目次(大きな項目)

 はじめに

Ⅰ 量子力学とボーアとアインシュタイン

 〔1〕 武谷三段階論と電子の二重性

   一 私の問題意識

   二 本質的実体の考察の破綻

   三 波動関数を実在とみなす物理学者

 〔2〕 ボーアの「相補性」論を武谷は克服したか

   一 物理学者は「解釈」に励む!

   二 不確定性原理を土台とする解釈論

   三 ボーアの哲学的立場

   四 制御不可能な相互作用は存在するのか

   五 アインシュタインとボーアの論争の根底にあるもの

 〔3〕 アインシュタインの実体論と武谷

   一 アインシュタインの量子力学批判

   二 アインシュタインの光量子論と相対性理論の解明

Ⅱ 武谷三段階論の諸問題

 〔1〕 武谷三段階論の変質

   一 見つかった、量子力学形成の三段階論的説明

   二 三段重ねの空箱への歪曲

 〔2〕 より高次の本質論の問題

 〔3〕 認識の深化と理論の継承と科学史

 〔4〕 心躍る武谷

 〔5〕 武谷を超えた坂田昌一の方法論

Ⅲ 電磁場の理論と重力場の解明

 〔1〕 思いつくままのほりさげ

 〔2〕 アインシュタインその人に迫らない広重徹の相対論形成史

 〔3〕 重力子――重力場の量子論的解明