変革の意志――黒田寛一と梯明秀と西田幾多郎の思索に思う

     2018年7月1日発行

     ISBN978-4-909063-12-0

     302頁、定価(本体3000円+税)


 マルクスの実践的唯物論に立脚した黒田寛一。

  その場所の哲学の源流と発展の途を探る!


  目次

 はじめに

Ⅰ 認識することと自覚すること

 〔1〕 下向的認識の論理

   黒田寛一の心の叫び

   抽象のレベル

   根底をなす実体論的把握

   認識の深化と判断形式

 〔2〕 実践の場所の存在論と自覚の論理の主体的解明

   『実践と場所』第四巻

   「場所」に先立つもの、とは?

   『ヘーゲルとマルクス』における欠陥の克服

   解明された自覚の論理とは何であったのか?

Ⅱ おのれのよってもってたつもの

    ――西田哲学の根底からの唯物論的転倒

 〔1〕 変革の意志

  一 西田幾多郎の原点「純粋経験」

   独我論から脱するための思索

   無の自己限定=神の自覚

  二 西田哲学の根底からの唯物論的転倒

   黒田寛一による唯物論的な場所の哲学の樹立

   梯明秀の「歴史的自然」と黒田

   自覚の論理の主体的解明

 〔2〕 人間実存の場所

   自己存在の根底

   絶対無の場所

   人間的触れ合いのない私と汝

   死することによって生きるという絶対弁証法

 〔3〕 自己変革

   歴史創造の主体なき超越者の自覚

   私の自己変革の闘い

Ⅲ マルクス=黒田寛一の哲学を深化するために

    ――唯物論の自明の前提と物質の哲学的概念

 〔1〕 唯物論的主体性論の地平

   〈把握レベル〉とは何か?

   存在論的整理

   ひと括り

   言語表現態論からのアプローチ

 〔2〕 唯物論の自明の前提

   認識以前のものの呼び名

   感覚した現実と感覚したことの表現

   意識することを意識する物質的存在

   イメージをうかべながら文章を書く、という場面の想定

 〔3〕 物質の哲学的概念

   黒田寛一の内面

   唯物論哲学の出発点

   実践的唯物論の追求

 〔4〕 実践的立場

   おのれの実践的立場

   記憶することと感覚すること

   意志を形成するために概念作用

   目的の構想