論文

 「グローバル資本主義」という規定にはらまれている方法論上の問題      ――その一 価値意識  アメリカを中心とする今日の資本主義経済を「グローバル資本主義」とよぶ風潮がひろまっている。ヘッジファンドをあやつるジョージ・ソロスがこの用語をつかったからかもしれない。ソ連を崩壊に追いこみグローバルな発展をとげているものとしてこの経済を謳歌する立場にたってのものであれ、種々の矛盾をあらわにしているものとしてこれへのちょっぴり批判的な態度をしめすものであれ、この呼び名がつかわれている。だが、労働者・勤労大衆にとっては、グローバル化とは、自分たちがますます悲惨な貧困へと突き落とされることをしか意味し