私の著書 案内 『商品経済の廃絶』『レーニンの格闘』

 

 拙著『経済建設論 第一巻』「商品経済の廃絶――過渡期社会の経済建設」、その『第二巻』「レーニンの格闘――マルクス主義のロシアへの土着化」が、西田書店(東京・神田神保町)から出版されました。みなさん、読んでください。

 書泉グランデ(東京・神田神保町)4階、模索舎(東京・新宿御苑前駅すぐ)、ナカムラヤ(群馬県太田市本町14-27)で売っています。 

 ――マルクスの魂をわがものとして、黒田寛一の探究を真にうけつぐことをめざした、スターリン主義超克の書!――


 目次は次のようになっています。

 『経済建設論 第一巻』「商品経済の廃絶――過渡期社会の経済建設」目次

 はじめに

Ⅰ 二十一世紀現代世界を変革するために
 一 中国の政治経済構造の変質
 二 反帝国主義・反スターリニズム

Ⅱ 過渡期社会の経済建設
 一 社会的総労働を比例的に配分するための「価格」表示
 (一)さまざまな労働と労働時間
 (二)基本的諸規定
 (三)労働手段の更新
 (四)諸労働の格づけ
 (五)「価格」表示にもとづく社会的総労働の比例的配分
 (六)小規模生産および農業
 二 生産過程とその技術化
 (一)社会的生産の目的意識的実現
 (二)労働過程の技術化
 (三)「指揮という労働」にかんするマルクスの展開
 三 マルクス『資本論』の根底をつかみとる
 (一)対象化された労働の移転と生きた労働
 (二)必要労働と余剰労働
 (三)生産過程の技術的構成の高度化
 (四)社会的総生産物の再生産
  (1)単純再生産
  (2)拡大再生産
  (3)労働の生産性を向上させる特殊なばあい
  (4)技術的構成をたかめるばあい
 四 社会的再生産の基本構造
 (一)ソ連における「価格」決定の問題性
 (二)過渡期社会における社会的総生産物の再生産
  (1)単純再生産
  (2)拡大再生産
  (3)労働の生産性を向上させる特殊なばあい
  (4)技術的構成をたかめるばあい
  (5)労働の質的差異を止揚したばあい
 五 表示された「価格」にもとづく工場での計算
 (一)もろもろの労働時間の計算
 (二)研究開発部門
 (三)「貨幣」額の計算

Ⅲ 現代ソ連邦の自己解体、その根源をなすもの
 一 出発点
 (一)農業の強制的集団化
 (二)スターリンによるコルホーズの理論的基礎づけ
 二 のりきり策の模索――「価値・価格論争」
 (一)直面していた諸現実
 (二)資本制的物化の廃絶への背信
 (三)人間変革の放棄
 (四)ソ連経済にとって「価格」操作のもつ意味は何か
 三 破産したスターリン主義政治経済体制、その再生産構造
  ――ソ連邦における農産物供出の強制および取引税徴収の基本構造
 (一)重工業重点の拡大再生産および分配の構造
  (1)諸生産物の価格の操作を捨象しての考察
  (2)取引税徴収の独自的意味
  (3)諸生産物の価格の操作にもとづく再生産および分配の構造の変形
 (二)スターリン主義的計画経済の克服


 『経済建設論 第二巻』「レーニンの格闘――マルクス主義のロシアへの土着化」目次

Ⅰ 新経済政策をめぐる諸問題
 一 レーニンの過渡期経済建設の解明
  「労働の量」の量にかんするレーニンの追求は?
  「国家資本主義」という概念の実体化
  「戦時共産主義」政策をレーニンはどのように反省したのか
  「社会主義的物々交換」の想定
  現出した「普通の売買」「貨幣流通」への驚愕と対決
  ルーブリは貨幣なのか
 二 新経済政策の理論的基礎づけ
  うみだされたのは商品・貨幣関係なのか
  ブハーリンが「価値関係に立脚しない価格」論をなげすてたのはなぜか
  プレオブラジェンスキーらがスターリンに屈服したのはなぜか
 三 レーニンの貨幣廃止の構想
  貨幣の廃止をいそぐのはなぜなのか
  マルクスの規定をどう理解しているのか
 四 実践論的アプローチの欠如
  ブハーリンおよびピャタコフの解明は?

Ⅱ レーニンの苦闘
 一 労働組合論争からつかみとるべきもの
 (一)対立はどこにあったのか
 (二)労働組合が焦点になったのはなぜか
 (三)工場委員会の帰趨に刻印されたものは?
 二 穀物徴発と貧農委員会創設にはらまれている問題
 (一)一九一八年晩秋のレーニン
 (二)「土地の均等用益」へのレーニンの態度
 (三)クラークといかにたたかうべきなのか
 (四)貧農委員会と村ソビエトの衝突をもたらした組織論的根拠は何か
 三 「労働者統制」の理論と実践
 (一)一九一九年早春のレーニンの述懐
 (二)工場委員会の闘いの教訓化の欠如
 (三)ドイツの経済統制措置の模倣

Ⅲ マルクス主義のロシアへの適用
 一 かえりみられなかったマルクスの手紙
 (一)マルクスとエンゲルスは叫びつづけていた!
 (二)資本主義的生産と同時的に存在しているロシアの共同体
 (三)「共同体は自殺することから始める必要はない!」
 二 一九〇三年の農業綱領(「切取地綱領」)
 (一)一九〇二年春の農民蜂起の教訓
 (二)農民自身が分与地を売る自由?
 (三)ロシアの農民の闘いの指針は何か
 (四)この引用の仕方!?
 三 分化する農民層の分析
 (一)自己の図式へのはめこみ
 (二)農奴制の廃止をとおしてもたらされたもの
 (三)地主の私有地における農業経営の諸形態
 (四)分化した農民とその農業経営
 四 「ブルジョア的土地国有化」の革命をめざす「二つの道」論
 (一)資本主義のもっとも急速な発展を実現しうる土地国有化の道
 (二)逆ベクトルの総括
 (三)ストルィピンの改革
 (四)ロシアの農民の要求は何か
 五 実施されたのは富農育成政策!?
 (一)土地の総割替はいかになされ、何がうみだされたのか
 (二)富農育成政策に転じた根拠は何か
 六 晩年のマルクスをつきうごかしていたもの
 (一)「本源的蓄積の章はロシアには適用できない」としたマルクスは何を考えていたのか
 (二)「ミール=原始共同体の一発展形態」とみたマルクスが直面したもの

 

論文

 「グローバル資本主義」という規定にはらまれている方法論上の問題      ――その一 価値意識  アメリカを中心とする今日の資本主義経済を「グローバル資本主義」とよぶ風潮がひろまっている。ヘッジファンドをあやつるジョージ・ソロスがこの用語をつかったからかもしれない。ソ連を崩壊に追いこみグローバルな発展をとげているものとしてこの経済を謳歌する立場にたってのものであれ、種々の矛盾をあらわにしているものとしてこれへのちょっぴり批判的な態度をしめすものであれ、この呼び名がつかわれている。だが、労働者・勤労大衆にとっては、グローバル化とは、自分たちがますます悲惨な貧困へと突き落とされることをしか意味し